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ども、ネコマです。

先日、店長から3連休をもらったので、せっかくなんでクルマで旅をしてきました。ホントはバイクが良かったんですが、さすがにこの季節は寒い(笑)お金も無く宿泊費が出せそうに無いので、クルマで征くことになりました。結構色々なところへ征ったので、何回かに分けて紹介していければ…と思います。

まず初日の行き先は神戸&大阪。目的は今回のメインである「摩耶観光ホテル」。ぶっちゃけ、廃墟です。廃墟好きでは"聖地"として崇められてる(らしい?)くらい有名な場所らしい。調べてみると1929年に建設されたアールデコ風のリゾートホテル。しかし戦争の激化と共に閉館し、今に至るまで廃墟として残ってきたとのこと。こーゆーのが好物の手前にとって是非もない。折角の大型連休なので現地へ征ってきました。

ロープーウェイで山へ登り、ホテル付近へ到着。肝心の廃墟はロープーウェイの駅から目と鼻の先だが、立ち入り禁止の上、職員の監視が厳しいとのこと。なので…


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裏側から迂回して侵入。そこはかとなく道らしき筋があるのは先人たちが築いたルートなのだろうか?てか、足元ちょっとした崖なんですけど…(^_^;)


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ようやく到着。建物の側面からの潜入。早くもイイカンジな雰囲気です。季節はもう秋だけど、緑に侵食され、風雪にに削られ、時が錆を育んでいく。脳内にこの曲が流れるのは致し方なしw


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入り口正面ホール。音もない静寂の空間。足元には瓦礫と砕けたガラスが散らばり、足を踏み入れるたびにパキパキと音を鳴らす。


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廊下か、エントランスか。かつての華やかな雰囲気はない。ドアも破られてただ朽ちていくのをじっと待っている。


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オーブントースターだろうか?ともすればここはキッチンなのか。神戸にある山の観光ホテル。きっと外国人の客の為にもパンを焼く必要があったのだろう。


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キレイな空間に出会う。光と影のコントラスト。窓から月の光が差し込むならば、きっととても幻想的な光景になるだろう。手前の写真だけじゃ伝わりきれないのが悔やまれる。光景だけでなく、空気も一緒に伝えられたらどれほどのものだろう。


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二階にある大きなホール。広さは小学校の体育館を少し狭くした感じ。きっとココでは紳士淑女たちがダンスを踊ったり、パーティーや談笑に花を咲かせていたのだろう。今は大きな空間が空虚感を醸し出している。


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ステージの裏手より。舞台袖から上がれるみたいだが、老朽化で今にも崩れそうなステージにはもう立つことが許されない。


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外階段から一階へ戻ると急傾斜の狭い階段を発見。地下へ潜るのか、明かりが一切漏れてこない。勿論ライトを片手に階下へ潜る。


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どうやらここはボイラー室?奥にも小さな部屋があることから宿直室だろうか?裏方部屋ならば狭い階段もうなずける。


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同じく一階廊下から下る階段の先には入浴室。当時としては広く華やかであったであろう風呂も今は時が無慈悲にも蝕んでいく。


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入り口に戻ると受付カウンターの黒電話に気づく。最初に入ったときはホールの窓からの光景に心を奪われていたが、周りを見ればあちこちにある過去の遺物。


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ふと窓から外を眺めれば…他にも部屋があったらしい。そういえば一階に一つだけ後回しにしていた部屋があったような。木製の扉が閉じていたので後回しにしていたっけ。早速そこへ向かう。


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思わず息をのむ。その光景をみた時、時間が止まったような感覚に陥った。


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窓から差し込む柔らかな秋の陽光。外にはまだ命の煌きのある緑。朽ちた洋館に朽ちた机と椅子。まるで西洋の豪邸か、僻地にある養生施設か。静寂と錆が織り成す空間ながら、永遠・悠久を思わせるような不思議で綺麗なこの時間。写真を撮るのを忘れて立ち尽くし、しばし想いを馳せ思索に耽る。これは滅びの美学か、時の芸術か。ともあれ、美しいこのには変わりなかった。


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余韻に浸りながらも外へ出る。正面口から二階のホールへ向かう直通扉。もしかしたら外国の客だけでなく貴賓もきていたのかも知れない。


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ダンスホールを抜けて外にある離れのような場所へ。朱色の錆と青い空、白い雲。空の色、雲はいつでも変わらない。変わるのはヒトが織り成すセカイのみ。たとえヒトから忘れられたモノもゆっくりと、ゆっくりとその姿を変えて朽ちていく。それが、なにより、美しいと思った。

そんな日のこと。遠い、遠い日のこと。

by nekomatic-spirit | 2010-11-15 11:28 | 冒険!-Adventure-
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